オリジナルBL〜ヘタレ主人公と神職とネコミミ少年<けもみみ>

愛なき花の見る夢は


Poison Rose#10 眼鏡をかけた、あいつ。

※こちらはBL小説です。ご注意ください。

最果ての監獄に勤務となった、新人看守のアレックス。
初出勤した彼だが…。

毒の薔薇 第10話


 俺はしばらくの間、テッドと話をした。
ここの監視のシステムからメシの買い方まで、何かと詳しく教えてくれた。
やはり、いい奴だ。
「ところで、施設長は?挨拶をしておきたいんですが」
そう俺が言うと、なぜか今まで饒舌だったテッドが口ごもった。
「えと…今は食事中だから…たぶん」
「え?今頃朝食ですか?」
 自分の腕時計を見、そして壁にかかっている時計を見る。
もう10時近いじゃないか。
妙な話だな、と思いながらテッドを見ても、彼は誤摩化そうとして顔を背けている。
「特別囚人とお食事会だから」
そこに、別の声が入る。
誰だろう、と振り向くと、大きな工具ボックスを抱えた男が立っていた。
工具を持つには細すぎる体つきだな、と思いながら顔を見上げた所で、俺は思わず立ち上がった。
「ジーン?!」
天使の様な美しい笑顔、絹の様な白い肌、そして銀色にも見える淡い金髪。
何故ジーンがここに?
「…僕はヨシュア。誰かと勘違い?」
くすくす、と笑われる。
 しまった、俺はなんて間違いをしたんだ。
確かに彼はジーンより髪が短いし、それに眼鏡をかけている。
でも、どこをとってもジーンに瓜二つだし、その笑い方までそっくりなんだ。
「す、すいません」
俺は恥ずかしくなって深々と頭を下げた。
顔から火が出る、と言うのはまさにこういう事だ。

 ヨシュアは俺の右隣の机に工具ボックスを置くと、椅子に座り、脚を組んだ。
隣とは参ったな、と思いつつも、そのしなやかな動きに俺は目を奪われていた。
「施設長なんだけど、」
そう話し出されて、俺はやっと元の話を思い出した。
それほどジーンにそっくりなヨシュアの登場が、衝撃的だったのだ。
「隔離されている特別囚人がお気に入りでね、よくそこに顔を出しているんだよ。面倒な事に巻き込まれない為にも、この話はしない方がいい。ここではタブー」
そう言って人差し指を俺の唇に当てて、しーっ、と言ってウィンクをした。
「あ…」
指を離すと、その指先を自分の唇にのせて軽く咥え、俺を見てくす、と笑った。

 俺は、固まった。
話の内容なんかじゃない。
そんなものはどうでも良くなるくらい、ヨシュアが魅力的だった。
俺の唇に当てたその細い指を食べてしまいたいと、心が疼いた。
 ジーンに似ているからというだけじゃない、俺は完全にヨシュアの虜になってしまっていたのだ。

to be continued...


★━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━★

御拝読ありがとうございました!!
公開期間が過ぎましたので#11以降は取り下げさせて頂きました。ご了承ください。

こちらの話ですが、同人誌化しておりますのでご興味がありましたら是非そちらをご覧下さい。

「滝之組」同人誌既刊本御案内(クリックで飛びます)

電子書籍化もする予定です。
出来上がりましたらご紹介させていただきますので、よろしくお願いいたします。




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Poison Rose#9 最果ての、監獄へ。

こんばんは、流されやすい勝之です。
同じく流されやすい、主人公のアレックスがやっと監獄に初出勤。
小説の続きです。

前回の話はこちら→第8話
第1話はこちらへどうぞ→第1話


毒の薔薇 第9話

 翌日、俺はついに「最果ての監獄」の新人看守として出勤した。
ここまで来ると俺にもあきらめがついているのか、堂々と中央執務室のドアを開けて中に入った。
「おはようございます。本日付けでこちらに配属となった、新人のアレックスです」
そう言いながら、部屋を見回す。
ああ、予想通りの雰囲気だ。オッサンばかりで部屋の空気がよどんでいる。
天井が無駄に高くて部屋が広い事が、せめてもの救いだろう。
「…ええと…」
 これもまた予想済みの事だったが、誰も俺の事を歓迎なんかしちゃくれない。
じろりと俺を睨み上げる奴、コーヒー飲みながら無視する奴、机に伏せたまま起きようともしない奴。
その中から一人、小太りのオッサンが俺に手招きをした。
救われた、と思って側に寄る。
「新人君のデスクはね、ここだって」
そう言って隣のデスクをその太い指で差す。
「ありがとうございます」
俺はぺこりと頭を下げて、素直に礼を言う。
こんな閉鎖空間では、なるたけ敵を作らない方がいいに決まっているのだから。
 
 それにしても、だだっ広い。
向かい合わせにして並べられている、衝立て付きのデスクが20近くは並んでいるだろうか。
それなのに、使われているのはどうも半分程度らしい。
そして実際に座っているのはさらにその半分。
残りの連中は巡回しているのか、それとも夜間担当で今はお休み中、というところか。
「俺はテッド。何でも聞いてくれていいよ」
そう言って差し出した手を、俺は挨拶代わりにしっかと握りかえした。
いい奴もいるもんだ。
「君も、独り者なのかい?」
「え、まぁ、そうです」
椅子に座り、何も無いデスクにもたれかかりながら、俺は答えた。
「まだ若いのに、可哀想だねぇ」
チューとストローで何かを飲んでいる。さしずめコークだろう。
おいおい、そんな物ばかり飲んでいるから太るんだぞ、と心の中でツッコミを入れてみる。
まぁ俺もあまり大して変わらない食生活を送っているのだが。
「ここはね、身寄りの居ない、独り者だけが集まる場所なんだ」
ぽつりと話し出すテッド。
「俺は妻を亡くして、ここに来た。誰もいないから、ここに居る事が出来る。そうじゃなきゃ、すぐにでもこんな所から逃げ出してしまうよ。囚人でなくともね」
寂しそうな声に、俺は少しだけ同情した。

 そうか、俺は確かに独り者だ。
父母はすでにこの世に居ないし、兄弟だって何処にいるのかさえ知らない。
適当にそこら辺でのたれ死んでも、誰も気付いてくれないのがオチだ。
「ここはね、囚人達にとっても、看守達にとっても最果ての地なんだよ」

to be continued...


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Poison Rose#8 別れがやってきて。

毒の薔薇 第8話

 最後の5日間、俺はジーンと共に蜜の様な時間を過ごした。
快楽に溺れていたようで、俺たちは悲しみを分け合っていた様でもあった。
「どうか、忘れないで」
ジーンはもう一度俺と唇を重ねると、最後にそう言って涙をこぼした。

 ああ、なんて美しい、清らかな涙。
それは、いつだって俺の心を揺るがしてしまう。
「…ジーン」
 そんな涙に今にも負けてしまいそうな俺の心を叱咤するべく、
「たまには、帰れると思うんだ」
と、慌てて言った。
場所が遠いだけに、普段の休みでは戻って来れないが、それでも長い休みがもらえたら必ず立ち寄ると、約束した。
「ただ、お前がいい人を見つけていたら、俺はおとなしく撤退するよ」
そう言って笑うと、やっとジーンも笑顔を見せてくれた。
 最後に愛おしい笑顔を見る事が出来たのが、せめてもの救い、というやつだろう。

 そうして、俺はこの最果ての監獄にやってきた。

 人を拒む高い壁。
周囲は味気のない、砂漠地帯。
ここは囚人達だけでなく、俺たち看守も囚われの身となる場所じゃないか。
何だってこんな事になっちまったんだろう、ともう一度ぼやいて、俺は用意された寮に荷物を放り込んだ。
「へえ…」
 思ったよりも広い部屋。
家具や家電は勿論、だいたいのものが揃えられている。
自分の趣味に合うかどうか、というのはまた別の問題だが。
「ご家族と一緒に住めるんですよ」
と、説明されたが、俺だったら家族を連れてこんな辺鄙な場所なんか来やしない。
誰がこんな所に来るものか。
しかし、俺は独り身だからいいとして、本当に家族が居る奴はここに単身赴任じゃ辛いだろう。
「景気付け、ってのをやっとくか」
そう、独り言を言って、俺は自分の荷物から持ち込んできたウイスキーを取り出し、お気に入りのグラスに入れて一気に呑んだ。
「ま、やっていくっきゃないわな」
溜め息のように大きな息を吐くと、俺はそのままソファーに倒れ込んだ。
 明日やって来る自分の運命など、もうどうでもいいと諦めながら。

to be continued...


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Poison Rose#7 優しく、狂わせて。

※こちらはBL小説です。18歳未満の閲覧はご遠慮下さいね。

最果ての監獄に新人看守として任命されてしまった、主人公のアレックス。
最後の別れを告げに、元恋人の家を訪れるが…。


毒の薔薇 第7話

 ジーンの中でいった俺のモノは、やっと少しおとなしくなったようだった。
くちゅ、という音を立ててジーンの身体からゆっくりと引き抜く。
「あ…っ」
中から抜けた瞬間、ジーンの身体がびくん、と反応して甘い声が上がる。
 
 なんて、愛おしいのだろう。
 お前は俺を芯から狂わせてしまう。

「やっぱりアレックスが…いい…」
 そう言いながら、俺のモノに絡んでいる白い糸を、指で拭い取った。
いやらしい事、この上ない行為だ。
「ジーン…」
くそ、またお前が欲しくなるじゃないか。
このままじゃ、俺は本当にお前を手放せなくなってしまうじゃないか。
「アレックスにフラられた後、ね」
その白い指で俺のモノに触れながら、ジーンは語り出す。
「待てよ、だからあれは振ったんじゃなくて…」
「フラれたと思わなきゃ、心の整理がつかなかったんだもの!」
 悲鳴の様な声を上げ、俺を黙らせる。
その悲しげな瞳に、俺の心はぐっと痛む。
「アレックスが言ったように、他の人を探した。寂しくて、何人もの人に抱いてもらった」
 他の男に抱かれた事実を本人の口から聞くなんて、覚悟していた事だが、それでも悔しさと怒りが湧いて来る。
自分勝手だな、俺は。
でも、この白くて美しい身体が他の男達の手に触れられ、汚されたかと思うと、気分が悪くなるもんだ。
「みんな愛してくれた。気持ち良くしてくれた。でも、身体を求めるばかりで、心はどうにもならなかった。やっぱり駄目、アレックスじゃないと駄目!」
きっ、と強く見上げた目から、ほろほろと涙がこぼれ落ちた。
ああ、またジーンを泣かせてしまったのだ。
「俺だって、お前がいいに決まってる。でも、俺は遠くに行かなきゃならないし、お前一人じゃ寂しいだろう?俺は、お前が心配だ」
 涙を拭いてやると、うん、とジーンが小さく呟いた。
「じゃ、せめて出発するまではここにいて。朝から晩まで飽きるほど抱いて。アレックスの手で、優しく狂わせて」
 俺にいかされたジーンのとろける様な瞳が、俺にもう一度来て欲しいと、誘う。
「ああ、一緒に居よう」
 そう言って俺はジーンを抱きかかえると、ベッドルームに向かった。
「続きはベッドの中で、な」

 出発までの5日間、俺とジーンは何度も抱き合い、求め合った。
身体が溶けて、一つになってしまうのではないかという程、俺たちは深く愛し合い、交わった。
 もう二度と一緒になれぬ事を、お互いに覚悟しながら。

to be continued...


少し前になってしまったので、第1話とリンクしました。
初めから読んでみたいという方は、こちらをクリックしてみて下さいね→毒の薔薇 第1話


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Poison Rose#6 キッチンで濡れるふたり。

※18歳未満の方の閲覧はご遠慮下さいね。

えへへ〜昨日は思いつきで若い青春の学園ものを書いてスッキリしました。
それじゃ、大人のエロスに行ってみましょうか?(酔ってる?)


毒の薔薇 第6話

 キッチンでジーンを抱いたのは何度目だろう。
料理の上手な彼がキッチンに立って作業するのを、俺は黙って見ていられなかったのだ。
少し離れたダイニングのソファーからじっとその背中を見ていると、欲しい、という情欲ばかりが湧いて仕方なかった。
「ごはん、遅くなっちゃうよ」
側に寄って背中から抱きしめると、甘い声で俺をたしなめる。
でも、その瞳は明らかに俺を誘っていた。
「お前が、前菜だ」
なんて馬鹿なことを言ってジーンを笑わせるが、直後に重ねた唇から俺たちは淫らな行為に堕ちてゆく。

 恋人である事を諦めた俺は、後々もそのジーンの背中を思い出しては苦痛に悶えた。
バランスのとれた全身。結い上げた髪の向こうに見える、細い項。
そして、形の良い尻。
思い出しては一人、自分を慰めてみたものの、あまりに虚しくて俺は咆哮をあげる獣のように叫んだ。
 きっと、最果ての監獄に行った俺は、それどころではなくなるのだろう。
狂気に満ちた囚人達と、人を人とも思わぬ看守達。
そもそも看守なんてのはオッサンしかいないのが相場だ。
囚人達とつながりを持って私腹を肥やす様な腹黒い奴とか、懲罰を与える事に快楽を覚えるような奴とか。
…考えただけでも、恐ろしい。

「アル…あっ、あ、激しい…よ」
嫌な事を考えていたせいか、俺はどうもジーンを激しく責め立てすぎた様だ。
 カウンターに座り、壁に押し付けられた状態で俺に犯されるジーン。
立ったまま腰を激しくこすり上げていた俺は、一度少し身体を浮かせた。
見ると、二人のつながった部分が、濡れている。
 ああ、なんて淫らな姿だろう。
天使の様に美しいジーンが、その瞳を熱っぽく潤ませ、熱い息をあげながら喘いでいる。
広げたその両脚は汗ばみ、俺のモノをくわえている箇所からはいやらしい音が漏れる。

 俺は、本当にこの人を置いて最果ての土地に行く事が出来るのだろうか。
このまま二人、誰にも知られる事なく遠くへ逃げてしまえばいいんじゃないのか。
「ごめんな、ジーン」
いや、駄目なんだ。
俺では彼を幸せにする事なんて出来ないと、自分で結論づけたじゃないか。
ジーンとの思い出だけを抱いて、一人でかの地に行き、朽ちてしまえばいいのだ。
それが、俺に似合いだ。
愛する人を泣かせ、苦しませた俺に、ふさわしい最後だろう。
「今夜はいかせてくれ」
耳元で囁くと、ジーンが喘ぎながらうん、と答えてくれた。
「愛してる、ジーン」
再び自分のモノをぐい、とジーンの深みに押し込むと、ジーンがのけぞって悲鳴をあげた。
悶えるジーンの手がカウンターに置いてあったコップに当たり、床に落ちて割れる。
直後、強く俺が突き上げ、激しく抜いたり入れたりを繰り返した。
「んんっ、あっ、いやぁ…っっ!」
俺の背中に力の限り爪を食い込ませ、ジーンも俺もいった。

 いつもは快楽に満ちたはずのそれは、なぜか悲しくて泣けてくるようだった。

to be continued...



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プロフィール

滝川勝之

Author:滝川勝之
BLでR18な小説も扱っているので苦手な方や知らない方、年齢に達していない方は撤退を!

切なく、甘く、淫猥で…兄弟、ケモミミ、職業ものなどを扱っています。

*本文およびイラスト、マンガの引用・転用・コピーを禁じます。No Copy ALLOWED!!

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